2010年9月28日火曜日

ピートとパパの会話(その113 秋への移ろい)



パパ 「キンチョーの夏が過ぎさ去り、急に芸術の秋になり
    よったばい」
ピー  「途中に季節の移ろいがないよね」
パパ 「最近の季節感は、時勢を繁栄しちょっとばいね」
    「ばってん寒暖計の表示も、暑い・普通・寒いで事足りる」
ピー  「季節も何やらディジタル的になってきたんだ」
パパ 「今年の夏は、たくさん蚊に刺された」
ピー  「蚊に刺される・咬まれる・喰われる。いろいろあるね」
パパ 「蚊に咬まれると歯の跡がつく。喰われるとどうなるか?」
ピー  「はて?」
パパ 「腹が立つから、せめて季節感を感じる音楽でも聴こう」
ピー  「パパのことだからぁ~、Autumn Leavesだな」
パパ 「そうじゃ、この曲はJAZZにアレンジされたものが多い」
    「でもなぁ、秋にJAZZではチト雰囲気が出ない・・・」
ピー  「ん? どうして」
パパ 「コード進行によるリズム感が先行するんだな~」
    「だから、やっぱり喧しいし~」
ピー  「リズム中心では、冬に向かって静かに移ろいでいく秋の
    季節感を醸し出せないんだね~」
パパ 「やはりJAZZは、黒人の開放感を体現するんだ」 
    「では最初に耳慣らしをしよう。先ずこれからね」
    「サービスよろしくスコアが映るよん」
http://www.youtube.com/watch?v=HoDJl3vcpgo&feature=related



    「次はエディ・ヒギンズ・トリオの枯葉。展開部でプレイ・
    バッハ風になるというか、何かのエチュードみたいだ」
http://www.youtube.com/watch?v=Le9Ts7JZx5I

ピー  「パパの言う展開部とは、アドリブの部分だね」
パパ 「JAZZがもっともJAZZらしさを表現できる部分だよん」
ピー  「で、プレイ・バッハって?」
パパ 「ジャック・ルーシェという人が、バッハをJAZZ風に弾くんだ」
    「シンバルを強調してシャーンシャーンとやるのが特徴だ。
    それに よって音に清涼感を出している」
    「ちょっと聴いてみよう。G線上のアリアだよ」
http://www.youtube.com/watch?v=1h6zpPagumM

    「んじゃ、キース・ジャレットの枯葉といこう。季節感無し」
    「JAZZは、ビー・バップになってからスウィング感が下に
    潜ったというか~・・・・・勢いだけが強くなった」 
http://www.youtube.com/watch?v=io1o1Hwpo8Y

    「次はヒロポン中毒のビル・エバンスの枯葉だ」
http://www.youtube.com/watch?v=mRhVI7cpcS4&feature=related

    「ここでナット・キング・コールを聴いてみよう」
http://www.youtube.com/watch?v=9IDUxk9sSXI&feature=related

ピー  「少し秋の雰囲気が出てきたねぇ」
パパ 「んじゃ、Cool Jazzの大御所、マイルスの枯葉を聴こう」
http://www.youtube.com/watch?v=PPHtQn1t1n4&feature=related

ピー  「都会のセンスが窺えるね~。パパがJazz編その3その4
    で言っていたことだな~」
パパ 「枯葉は、1946年のフランス映画’夜の門’でイヴ・モンタン
    が歌い、シャンソン歌手ジュリエット・グレゴによって 世界に広めら
    れたんだ。では二人の歌を聴こう」 
イヴ・モンタン
http://www.youtube.com/watch?v=6r3JM2JZK84&feature=related
ジュリエット・グレゴ
http://www.youtube.com/watch?v=NPvvMabnWxo

ピー  「ほう、フランス語ならではの雰囲気だねぇ。モンマルトルの
    秋だ」「これは愛の追想のようだから、晩秋に聴く曲だねぇ」
パパ 「解ってくれはりましたか。英語じゃ~シャンソンの情緒を
    出し難いのさ」「では、物静かにシャンソンを一曲」
http://www.youtube.com/watch?v=fNBO0pYyKKI&feature=related

ピー  「おお、フランス語とシャンソンとアコーディオンかぁ」
パパ 「が、英語でないとアカン曲もある。それをフランス語で
    歌うとこうなる・・・これじゃ↓」
http://www.youtube.com/watch?v=NBk7dv_OuSU

ピー  「有名なWhat'D I Sayだね。発音が字余りになってる」
パパ 「そう、こういうロック調なのは、おフランス語では無理
    だね~。何やらもたついちょる」
ピー  「はは、面白いことを見つけるんだな~」
パパ 「言語と歌唱の関係は面白いじゃろう」
    「お次は洗練されたケニー・ドリューの枯葉だよん」
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=FWWN6_y1wok

ピー  「ヨーロッパ的でアメリカのような泥臭さがないね」
パパ 「ケニー・ドリューは黒人じゃが、ヨーロッパに渡って
    感性が洗練された反面、泥臭いリズム感が乏しくなった」
    「次は、最もJAZZ的で泥臭い枯葉。」
http://www.youtube.com/watch?v=-YVILPFZ0eU&feature=related

ピー  「枯葉がアメリカへ渡ると季節感が無くなるんだね~」
パパ 「これは、ブンチャブンチャとリズムを刻む小太鼓屋のおっさんが
    問題なのさ」 「太鼓とシンバルじゃ~、枯葉の持つ感傷的な
    芸術表現 ができない」
ピー  「小太鼓屋って、ドラムのことだろう?」 
パパ 「じゃが、弦楽器を入れると少しニュアンスが違ってくる」
http://www.youtube.com/watch?v=45ZqPzY70X0

ピー  「ヴァイオリンに哀愁が漂っているね~。ジプシー風だ」
パパ 「ほんじゃ最後にバロックとロマン派を聴いて、本日の秋を
    終わろう。特にロマン派は、JAZZとは感情表現がまるで
    異なる。非常に流麗で情緒的な感性を感じるね~」
    「反面バロックは、形式的な表現を重んじているのが分かる」

ヴィヴァルディ 四季/秋
http://www.youtube.com/watch?v=PCwIZUQzO64&feature=related

リスト 愛の夢第3番
http://www.youtube.com/watch?v=7OfHoXJh9wg&feature=related

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