2011年8月8日月曜日

ピートとパパの会話(その125  '渚にて' 1959)


ピー  「表題の ’渚にて’ というのは?」
パパ 「1959年に映画化された小説で、核戦争後の世界を描いちょる」
    「原題は ’On The Beach’ で、映画ではグレゴリー・ペックが主演を
    している」
ピー  「なんじゃいな。おいらは海水浴の話かと思ったよ」
    「して、なんで ’渚にて’ を持出したん?」
パパ 「福島原発事故と、この映画が重なるからさ」
ピー  「ふ~ん、単なる戦争映画なんだろ?」
パパ 「今時の戦争アクション映画とは、趣きが全く異なる」
    「なんたってグレゴリー・ペック主演だからね」
ピー  「昔の映画は、ヒューマニズムがあると言っていたね」
パパ 「そう、これは、大人が観る映画だねぇ」
    「今のハリウッドに、このような映画を作れる監督がいるかなぁ?」
ピー  「具体的にはどういう内容なん?」
パパ 「核戦争後の放射能で人類が滅亡していくんじゃが、その過程での
    人間の葛藤と男女の悲哀を描いている」
ピー  「ほう、正に福島原発事故だ」
パパ 「この映画を観たのは、小学生の頃じゃった」
    「内容は殆ど理解出来なかったが、映像が記憶として残っておった
    のじゃよ。それで思い出した」
ピー  「おいら、そんな昔のことは憶えちゃいないねぇ」
パパ 「おや? ’カサブランカ’のセリフかい?」
ピー  「おいら、ハンフリー・ボガードじゃけんね。イヒヒ」
パパ 「ほんじゃ、この映画の最初と最後をチョコッと観てみよう」
    「俳優の表情と情景描写だけで、この映画の意図するところを
    感じられれば、あなたは素晴らしい」

http://www.youtube.com/watch?v=bfP1FCJTlo0

ピー  「全編に流れるワルチング・マチルダが印象的だね」
パパ 「エンディングに出てくる’THERE IS STILL TIME..BROTHER’という
    垂れ幕も印象的だ」
ピー  「’兄弟よ、まだ時間はある’ かぁ・・・」
    「福島原発事故と絡めると、誠に意味ありげなエンディングだねぇ」
パパ 「そう、こうなる前に手を打ちなさいよ、という風にも映る」
ピー  「はぁぁ・・・・・、人間はとんでもない動物じゃの~」
    「神は、何故人間を創り給うたのかのぉ~, アーメン」

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