2012年5月25日金曜日

ピートとパパの会話(その139 "オレンジ花特急")

ピー  「久しぶりの会話だね~」
パパ 「他の趣味に没頭していたからねぇ」
    「まだまだ忙しくて一日24時間では足らん」
    「今日は、ちょっと一休みね」
ピー  「ほんで何の話なん?」
パパ 「ちょっと亜米利加民謡を聞きたくなったし~」
    「その話をしようと思ってね」
ピー  「亜米利加の民謡?」
パパ 「亜米利加の泥臭~いブルーグラスという民謡じゃ」
    「では一発、Orange Blossom Special とシャレこんでみよう」

http://www.youtube.com/watch?v=SEjp-CG7h4w&feature=related


ピー  「なんとなく忙しないな~」
パパ 「それがブルーグラスの特徴なのよん」
    「出足でフィドルがピア~ピア~とボーイングをするが、
    どういう意味があると思う?」
ピー 「さあ~、何かの真似?」
パパ 「んだ、蒸気機関車の汽笛なのさ~」
    「それが終わると、なんだ坂こんな坂という調子で弾きはじめる」
ピー  「ほうー」
パパ 「そして、タータカ,タータカといった軽快な2ビートに乗って
    飛ばしまくる」
ピー  「ん? オレンジブロッサムスペシャルというのは、写真の機関車?」
パパ 「そ、オレンジブロッサムスペシャルという名の汽車をモチーフに
    した曲なんだ。マイアミ、ニューヨーク間を1953年まで走っていた」
    「さて、映像を見ていて、何かに気が着かないかい?」
ピー  「はて?」
パパ 「ではもう一発、今度はカントリーロックを聴いてみよう」

http://www.youtube.com/watch?v=C6uEACh0UUE&feature=fvwrel

ピー  「一向に分からないねぇ」
パパ 「解答は、演奏者や聴衆の中に黒人が一人もいないことさ」
ピー  「はっはーん、そういうことか。黒人は、ブルースなんだ」
パパ 「これで亜米利加のカントリーミュージックがどういうものなのか、
    分かったろう」「ま、全ては語らないでおこう」
ピー  「う~ん、考えさせられるねぇ」

                        (ブルーグラスの牧場にて)
パパ 「ブルーグラスは、アイルランドやスコットランドの民謡を元に、
    亜米利加大陸の開拓者達の音楽として作り出されたものじゃな」
    「しか~し、流行り出したのは第二次大戦後だけどね」
ピー  「だから、何となく大陸的でワイルドな感じがするんだねぇ」
パパ 「ブルーグラスとは、ケンタッキー州に生えている牧草でもある」
    「ヨーロッパ原産の寒冷地向き牧草で、馬君の好物だ」 
ピー  「草からとった名前か~。西部劇の雰囲気だね」


                       (ラフマニノフと湖畔で遊ぶピート)
パパ 「が、同じ大陸的でも、ロシアは全く異なった雰囲気がある」
    「ラフマニノフのピアノコンチェルト第2番を聴いてみよう」

http://www.youtube.com/watch?v=uJRHht55E1M&feature=related

ピー  「女性ピアニストがこんな重厚で重苦しい曲をよく弾くね」
パパ 「エレーヌ・グリモーというフランス人だよ」
    「曲は、如何にもロシア的な旋律から始まり、壮大な叙事詩
    としての雰囲気を醸し出している」
ピー  「ロシア国民楽派の影響を受けている?」
パパ 「第二楽章は甘美な旋律で、ドイツロマン派の影響を伺わせて
    おり、ラフマニノフの錯綜した気持ちが伝わってくる」
ピー  「だけど、フランス人がロシアのロマン派を弾くとは珍しいね」
パパ 「彼女は、ドイツロマン派が好きなんだ。またラフマニノフは、
    ドイツのドレスデン滞在中に作曲をしたこともあるんだ」
ピー  「さよか」
パパ 「ロマン派、ドイツ、ピアノコンチェルトといった連立方程式
    を組立てれば、何故に彼女がラフマニノフを弾くかが解ける」
ピー  「また訳の分からんことを言う」
パパ 「ではもう一度、亜米利加の雰囲気を聞くとしよう」

http://www.youtube.com/watch?v=fRgWBN8yt_E&feature=fvwrel

ピー 「我が心のジョージアか~」

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